病院、診療所における麻薬の施用について
照会 (昭和30年 薬第739号)
国立を含む病院、療養所等麻薬業務所の立入検査を実施したところ、入院患者等に対する麻薬の施用について疑義があるので、左記の点につき如何に指導すべきか貴職の指示を得たく照会します。
記
麻薬の施用は麻薬施用者自ら直接患者に麻薬を施用すべきであると解するが、左の場合は麻薬施用者の立会の有無に拘らず麻薬取締法第27条違反であるとして指導処理してよろしいか。
1.麻薬施用者免許を有せざる医師或はインターン生が麻薬施用者たる医師の許可又は指示により麻薬(注射液)を患者に施用する行為。
2.看護師が麻薬施用者たる医師の指示又は許可により、入院患者等に対し麻薬(注射液)を施用する行為。
回答(昭和30年 麻薬第591号)
昭和30年5月31日薬第 739号をもって照会のあった標記の件については、麻薬施用者の免許を有しない医師、実地修練生又は看護師が麻薬施用者の直接の監督又は指示の下に麻薬を注射する等麻薬の施用の補助をする場合は、麻薬取締法第27条第1項に違反しないものと思料する。しかし乍ら麻薬施用者の免許を有しない医師が麻薬の施用に関与する場合は、麻薬取締上望ましくない結果を生ずるおそれなしとしないので、麻薬施用者が自ら施用するよう御指導ありたい。
麻薬取締法第41条の麻薬施用記録に対する疑義について
照会
麻薬施用者は麻薬を施用し、又は施用のため交付したときは、麻薬取締法第41条の規定により、医師法第24条(他は略)に規定されている診療録に愚者の氏名、住所、病名、主要症状、施用した麻薬の品名、数量並びにその年月日等を記載することになっているが、この診療録の様式が規定されておらず、入院患者等については体温表或は医師の指示書が事実上診療録の一部となっていて、これら体温表等に施用した麻薬の品名、数量等記載しているものが見受けられるのでこれが適法であるや、否や疑義が生じたから照会する。
おって、本件は過日行われた東北、北海道ブロック麻薬取締官(員)会議において議題になったが、現在各県の意見が相違していて異動の激しい施用者に対する指導が円滑に行われないきらいがあり、特に都道府県を異にする二以上の病院等に定期或は不定期に異動し、診療に従事する施用者の指導に支障があるので全国的に統一することが望ましいものと思料され照会するものである。
回答 (昭和33年11月13日 薬麻902号)
医師法第24条にいう診療録とは、同法施行規則第23条所定の記載事項を具備している記録と解すべきであるからこのうち一部事項のみを記載した体温表等を単独で診療録とみなすことはできないが、池の記録と一体となって前記要件に該当する場合においてはは、これを診療録とみて差し支えなく、したがって麻薬取締法第41条に規定する事項をそれぞれの関係部分に記載することは適法である。
しかしながら右のごとく一体化した診療録とみなして措置する場合においても各構成部分が容易に分離される状態にあるときは、厳重な配慮を必要とする麻薬の取扱上、好ましくない結果を生ずるおそれが多分にあるので、麻薬に関する記載事項はすべて1カ所にとりまとめ記載せしめる等、行政取締上遺かんのないよう指導願いたい。
使用残りの麻薬注射液の処理について
照会 (昭和35薬発第567号)
病院麻薬管理者の麻薬取扱講習会を実施した際、左記の質疑がありその取扱い統一の要望があったので貴意を得たく照会します。
記
1.使用残り麻薬注射液(例えば1cc注射液、0.5cc施用残り0.5ccの麻薬)は、当然「施用に伴う消耗」と解して廃棄処分し、法第29 条の規定による厚生大臣の許可を必要としないと解するが如何。
2.本県においては、前記残りの麻薬は大半の病院が取扱上の事故を防ぐため麻薬管理者のところに回収し同人の責任において廃棄処分しているが、前記使用残りの麻薬まで管理者の責任が及ぶものか、一方前記使用残りの麻薬はすでに麻薬施用者の施用の段階にあるので同人の責任のもとにあると解して同人の責任により廃棄処分するのが適当とも思われるが如何。
回答 (昭和35年薬麻第391号)
5月20日35薬発第 567号をもって照会のあった標記について次のとおり回答する。
記
1.貴見のとおり処理してさしつかえない。
2.施用残りの麻薬は、管理の適正を計るため、一度麻薬管理者のもとに回収して処分し、その旨帳簿上にも明記しておくこと。
麻薬の保管についての疑義について
照会 (昭和34年保総第202号)
4百病床を有する病院であって、特に外来患者が多く(1日平均患者数1700人)且つ、開設が古い関係上建物が平面的であり然も接ぎ足しされておるため、院内の動線が漫りに長く、為に出簿に基因する診療業務上の煩項を緩除するため左記の如き麻薬の保管方法を実施しているが、麻薬取締法34条第1項に定める業務所内で保管しておければその保管場所が数ケ所に亘ってもよいのであるか、どうか、疑義があるので貴見を承りたく照会します。
記
1.麻薬の保管は麻薬管理者(薬剤長)が直接出納に当っておる。元庫の他に各診療科(診療室)及び対病棟毎に保管庫を有しておる。
2.調剤所にある麻薬元庫のかぎは麻薬管理者が所持し、出簿原簿により各診療科病棟よりの請求に基き麻薬を出しておる。
3.各診療科病棟の麻薬保管庫は、常時1週間の予定施用量を保有し、おる。
4.各保管庫共麻薬取締法第34条第2項に基き確実に実施されておる。
回答 (昭和34年薬麻第171号)
おって二ヶ所以上で麻薬の保管を行うことが直ちに麻薬取締法第34条違反となるものでなく、相当の理由がある場合には照会のような元庫とは別の保管庫を設けて施用のためにさしずめ必要な麻薬(アンプル)を保管することはやむを得ないがこの場合の当該麻薬の保管も当然、麻薬管理者の責任において行うべきものであるから補助者として当該業務の一部を行わせるについても事故の生じないよう配慮する必要がある。
この点照会の事例については元庫より分離して保管する量も日常の診療業務に差し支えのない範囲で最少限にとどめ、日々の施用量の報告を徴しかつ、随時在庫量の点検を行い、また保管庫の鍵についても必要時以外は、返還せしめる等麻藥管理者が直接厳重に監督するよう指導されたい。
麻薬取締法の疑義について
〔施用に関する記録の時点〕
照会 ( )
記
麻薬を施用し,又は施用のため交付したときは
1.施用又は交付の都度
2.施用又は交付した日ごと
3.施用又は交付した当初の日
等おおよそ3とおりの場合が考えられるがこのうち何れに解釈したらよいか。
おってこのことは送検予定の事件に関係しておりますので、至急御教示のほどお願いします。
回答 ()
昭和36年4月7日薬第 386号をもって照会のあった標記の件について、左記のとおり回答する。
記
麻薬取締法第41条に規定する「麻薬を施用し、又は施用のため交付したとき」とは、麻薬の施用又は施用のための交付の都度の意味である。
麻薬の保管に関する疑義について
照会
麻薬卸売業者の麻薬貯蔵庫については昭和24年10月17日薬発第1763号薬務局長通達で指示された免許基準により貯蔵庫を現在も設備させ、同庫内には麻薬、覚せい剤以外の医薬品は一切保管しないように指導してきましたが、麻薬取締法第34条(保管)第2項並びに布施、信沢両厚生事務官共著「麻薬取締法解説」から考察するに、麻薬(覚せい剤共)と麻薬以外の医薬品とを区別すれば同一貯蔵庫内に麻薬以外の医薬品も保管できると解されますが、御意見を賜りたくお願いします。
なお区別とは単に陳列棚を異にする程度か又は区画をも要求しているものか併せて御教示願います。
回答
昭和30年10月28日30医第3422号をもって照会のあった標記の件については次のとおり回答する。
記
麻薬取締法第34条第2項にいうかぎをかけた堅固な設備とは麻薬専用のものであって、麻薬と区別すればその他の医薬品も同一設備内に保管しうるとは解することは出来ない。
質問1
私の勤務するA病院には、同じ県内にB分院があり、このたび毎 週1日B分院でも診療に従事することになりました。私はA病院で麻薬施用者の免許を受けていますが、B分院でも麻薬施用を行うためには、新たに麻薬施用者免許の申請をしなければならないのでしょうか。
(回答)
質問2
私はA県内の大学附属病院に勤務し、そこで麻薬施用者免許を受けた医師ですが、こんどB県内にある病院でも診療業務を行うことになりました。この場合でも免許証の記載事項変更の手続きをすればよいのでしょうか。
(回答)
質問3
私はA県内で2か所の診療所を開設し、各々で麻薬施用者の免許 を得て診療業務を行いたいと思いますが、差し支えありませんか。
(回答)
この場合、「従として診療に従事する麻薬診療施設」には、麻薬管理者を置かなければ麻薬を保管することはできません。
質問4
私は病院に勤務している医師(麻薬施用者)ですが、病院勤務をやめて開業したいと思っています。麻薬施用者の免許も必要なのですが、どのような手続きをすればよいですか。
(回答)
現在、勤務している病院と同一県内以外で開業する場合は、現在勤務している病院の県に業務廃止届を行い、新たに開業する診療施設の所在地を管轄する都道府県に免許申請を行ってください。
質問5
病院の医局で主任医師が麻薬施用者であれば、その医局員である他の医師は麻薬施用者でなくても麻薬を施用することができるでしょうか。
(回答)
<麻薬譲受関係>
麻薬を購入する際には、あらかじめ麻薬譲受証を麻薬卸売業者に交付することになっていますが、いつの時点で交付すればよいのですか。
(回答)
従って、麻薬譲受証は現品の受け渡しに先だって、または現品と引き換えに相手方に交付しなければなりません。
質問7
私の開設する病院は県境に近いため、隣県の麻薬卸売業者の方が距離的に近く、何かと便利なので、隣県の麻薬卸売業者から麻薬を購入したいのですが可能でしょうか。
(回答)
質問8
A病院とB病院の開設者が同一人の場合に、麻薬の購入をA病院で一括して行い、その麻薬の一部をB病院に分配することは差支えないでしょうか。
(回答)
質問9
A院で保有する麻薬注射液が品切れとなったため、とりあえず、近所のB病院から借り受け、後日購入してこれを返却しても差支えないでしょうか。
(回答)
質問10
(回答)
<免許集効に伴う手続関係>
(回答)
質問12
(回答)
また、同一県内の麻薬診療施設等への譲渡(50日以内)を行う場合は、在庫麻薬譲渡届を提出してください。なお。県外の麻薬診療施設等への譲渡については厚生大臣の許可を受けることが必要となります。
質問13
(回答)
更に、現在の麻薬診療施設については、廃止となりますので、質問12と同様の手続きをとる必要があります。
<保管関係>
(回答)
質問15
(回答)
質問16
(回答)
質問17
(回答)
<事故届・廃棄関係>
(回答)
質問19
(回答)
質問20
例2 同上で注射筒に移した後、患者に施用する前に注射筒を破損 した場合
(回答)
従って、例1の場合において、アンプルカット以前に麻薬を破損 した場合には、麻薬事故届及び麻薬廃棄許可申請書の提出が必要となりますが、アンプルカット以後であれば、麻薬事故届と麻薬廃棄 届の提出が必要となります。
また、例2の場合には、アンプルカット以後となるので、麻薬事故届及ぴ麻薬廃棄届けが必要となります。
なお、どちらの場合も、事故が発生した後、直ちに麻薬管理者が状況を確認し、麻薬事故届にその状況を詳細に記載してください。
質問21
誤って処方せんの内容と異なる麻薬を調剤した場合どのような処置をすべきでしょうか。
(回答)
質問22
(回答)
質問23
(回答)
質間24
(回答)
質問25
(回答)
質問26
(回答)
<その他>
(回答)
質問28
(1)転院後の病院で継続して当該麻薬の服用を指示した場合、麻薬施用者は当該患者の診療録に麻薬の施用として服薬状況を記録しなければなりませんか。
(2)患者が持参した麻薬は、病院へ返却された麻薬として一度麻薬管理者の元へ返却し、麻薬帳簿に記載する等、処方・調剤の手続きを改めてとらせ、病院として管理すべきですか。
(回答)
(2)患者が持参した麻薬についても、麻薬管理者が管理する責任があり、医師は、法第33条第3項に基づき施用施用することになります。麻薬帳簿には当該麻薬の口座の受入れ欄に受入れ数量を( )書きで記載し、残高には加えず、備考欄に麻薬を譲り受けた患者の氏名及び入院後の施用の旨を記載してください。
質問29
(回答)
また、麻薬処方せんの交付のみを行っている麻薬診療施設においても、麻薬施用者が2人以上いる場合は、麻薬管理者を置く必要があります。
『麻薬・向精神薬取扱実務関係質疑応答』より
(診療録関係)
入院患者に麻薬を施用する場合、麻薬施用に関する診療録の記載 に関して、病床日誌あるいは体温表に記載してもよいのでしょうか。
〔回答〕
医師法第24条にいう診療録には、同法施行規則第23条に規定する 事項を記載する必要がありますが、麻薬を施用したことを記載した病床日誌あるいは体温表を診療録と一緒に綴っても差支えありません。
(参照)昭和33年9月5日秋田県厚生部長照会
「法第41条の麻薬の施用記録に関する疑義について」
〔質問27〕
麻薬施用の記載のある診療録は他の診療録と区別して保存する必要がありますか。
〔回答〕
他の診療録と区別して保管する必要はありませんが、区別が容易にできるように診療録の麻薬の施用記録のある箇所に赤線を付すか『丸麻』と朱書(又は押印)(参照)法第41条して下さい。
〔質間28〕
私の勤務している病院は総合病院で、今回、診療録をコンピュ一タで集中管理することになりましたが、麻薬施用の記載のある診療録の保存について注意する必要がありますか。
〔回答〕
必要な場合に麻薬施用の記載のある診療録が検索可能となるようにして下さい。
(廃棄関係)
麻薬注射液の施用に際し、患者に0.5mlを施用し、O.5ml残りました。この施用残りの麻薬注射液はどのように処理すべきでしようか。
〔回答〕
施用残りの麻薬注射液は「施用に伴う消耗」と解されますので廃 棄許可の申請は必要ありません。従って、施用残りの麻薬は麻薬管理者のもとに回収して、麻薬管理者の責任においてその他の職員の立会のもとに廃棄して下さい。
(参照)法第29条
昭和35年6月8日薬麻第391号麻薬課長通知
「施用残りの麻薬注射液の処理について」
〔質問34〕
複数回の施用分としてがん末期の入院患者に経口用のモルヒネ液剤を投薬しましたが患者が死亡して残液が出ました。この残液はどのように処理したらよいでしょりか。
〔回答〕
残液は調剤された麻薬に相当しますので、麻薬管理者が他の職員の立会のもとに回収困難な方法で廃棄し、その旨を30日以内に都道府県知事に届け出て下さい。
(参照)法第29条,同法施行規則第10条の2,第12条の3
塩酸ペチジン1アンプルを200mlの生理食塩液に加えたものを1回の施用分として調剤し、点滴静注していたところ、患者の容態が変ったため、50mlが残ってしまいました。この残液の処理はどのようにしたらよいでしょうか。
〔回答〕
1回の施用分として調製されたものが麻薬施用者により施用され た結果、残った分については「施用に伴う消耗」と解して差支えありません。従って施用残りの麻薬は麻薬管理者のもとに回収して、麻薬管理者の責任において他の職員の立会のもとに廃棄して下さい。
〔質問36〕
私の開設する診療所には父の代からの古い麻薬が種々あり、その管理に困っているのですが。
〔回答〕
このような不用の麻薬については、廃棄許可申請をして許可を受けたのち、廃棄して下さい。
(参照)法第29条,同法施行規則第10条
〔質問37〕
長い期間使用していなかったアヘンチンキが乾固しましたので廃棄したいのですが、廃棄の数量はどのようにしたらよいでしょうか。
〔回答〕
麻薬帳簿には他の職員の立会のもとに正確な残量を記載し、その数量により廃棄手続をとって下さい。
(参照)法第29条,同法施行規則第10条
〔質問38〕
予製剤として1%コカイン液20mlをつくり使用していましたが、 5mlほどの残液が浮遊物などで汚染状態になりました。どのような処理がよろしいでしょうか。
〔回答〕
使用できない状況でしたら、溶液を計量して廃棄許可申請をして許可を受けたのち、廃棄して下さい。
麻薬・向精神薬の取扱と管理
記録
1診療録(カルテ)の記載(法第41条)
@ 患者の氏名、性別、年齢、住所
A 病名及び主症状
B 麻薬の品名及び数量
C 施用又は交付の年月日
(2)記載に当たっては、次の事項に注意して下さい。
@ 注射剤の数量の記載については、A(アンプル)単位の記載ではなく、実際に施用した数量をml単位で記載して下さい。
A 麻薬を継続して施用し、若しくは施用のため交付する際には、2回目以降についても、do、前同、〃、約束処方番号、保険点数等のみを記載するのではなく、麻薬の品名、数量を記載して下さい。
B 麻薬の品名の記載は、局方名、一般名、商品名又は簡略名(リンコデ、塩モヒ程度の略名であれば可)のいずれでもよく、英文による記載でも差し支えありません。
ただし、麻薬の品名、数量のわからない約束処方名では記載しないで下さい。(約束処方名の記載については第5麻薬処方せんの項に準じて下さい。)
なお処置欄への記載については、施用した麻薬の品名及び数量を記録した書面を添付しても差し支えありません。
D コカイン水のような処置用麻薬を施用した場合には、綿棒の数、スプレー数等を記載して下さい。
E モルヒネ坐剤を施用した場合には何mgの坐剤を何個施用したのかが分かるように記載して下さい。
F モルヒネ水溶液等の水剤を連続して施用する場合には、何回分の処方の何回を施用したのかが分かるようにすると便利です。(例えば15回分の3回目の施用であれば麻薬の品名、数量とともに3/15と記載する。)
2帳簿の記載(法第39条)
@ 当該麻薬診療施設の開設者が譲り受けた麻薬の品名、数量及びその年月日
A 当該麻薬診療施設の開設者が廃棄した麻薬の品名、数量及びその年月日
B 当該麻薬診療施設の開設者が譲り渡した麻薬(施用のため交付したコデイン、ジヒドロコデイン、エチルモルヒネ及びこれらの塩類を除く。)の品名、数量及びその年月日
C 当該麻薬診療施設で施用した麻薬(コデイン、ジヒドロコデイン、エチルモルヒネ及びこれらの塩類を除く。)の品名、数量及びその年月日
D 事故届を提出した場合は、届け出た麻薬の品名、数量及び事故年月日(届出年月日については備考欄に記載)
@ 帳簿は品名、剤型、濃度別に口座を設けて記載してください。
たとえば、麻薬の原末から10倍散を予製した場合においては、10倍散の口座を作成して記載して下さい。(例2)
B 帳簿の記載には、万年筆、サインペン、ボールペン等の字が消えないものを使用して下さい。
C 麻薬の受け払い等をコンピューターを用いて処理し、出力された印刷物を帳簿とする場合は、この章に揚げた諸点のほか、出力された印刷物が1ヶ所に整理され、立入検査等の際に直ちに提示できるようにする必要があります。
D 帳簿の訂正は、訂正すべき事項を二本線等により判読可能なように抹消し、その脇に正しい数字等を書いて下さい。
E 帳簿の記載は、原則として、麻薬の受入れ又は払出しの都度行って下さい。
〔受入れ〕
(T)「受入れ」の年月日は、麻薬卸売業者が作成した麻薬譲渡証に記載された年月日を記載して下さい。なお、麻薬譲渡証と麻薬の到着年月日が相違するときにも、麻薬譲渡証の日付けを受入れ年月日とし、備考欄に到着年月日を記載して下さい。
(U)購入先の麻薬卸売業者の氏名又は名称及び購入した麻薬の製品番号は備考欄に記載して下さい。(例2)
受け入れた麻薬を廃棄する場合は、残高には加えず、備考欄に患者の氏名、廃棄年月日及び廃棄届出年月日を記載し、立会者が署名して下さい。(例4の注2)
受け入れた麻薬を廃棄する方式をとる場合は、V)と同様に補助簿(廃棄簿)を作成すると便利です。この場合、補助簿に受れ年月日、受け入れた相手の氏名、麻薬の品名・数量、廃棄年月日、廃棄の届出年月日を記載し、廃棄の立会者が署名して下さい。
(例3)
〔払出し〕
(T)麻薬注射剤を仮払い方式で払出した場合は、施用の日をもって帳簿からの払出しとして記載して下さい。
(U)注射剤以外の散剤、水剤、坐剤等については、麻薬処方せんによって調剤された日をもって払出しの日として記載して下さい。
なお、調剤された麻薬の最終施用日をもって払出しの日として施用総量を記載することもできます。
(V)麻薬を施用し、又は施用のため交付した患者の氏名を備考欄に記載して下さい。ただし、1日の麻薬の施用患者の多い病院等においては、「○田○男ほか○○名」という記載でも差し支えあり ません。(例4の注1)
H リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸エチルモルヒネの10倍散(水)、100倍散(水)を予製する場合、それらの口座については、受入れの数量、年月日を記載するのみで個々の払出しについては記載する必要はありません。(例2)