MIME-Version: 1.0 Content-Location: file:///C:/8589A1A9/ji.htm Content-Transfer-Encoding: quoted-printable Content-Type: text/html; charset="us-ascii"
痔核,裂肛,肛=
2;周囲膿瘍,痔瘻,粘&=
#33180;脱症候群
Haemorrhoids
黒川彰夫 黒ॢ=
9;梅田診療所・院長(&=
#22823;阪)
-----------------------------------------=
---------
Ⅰ.痔核
◆病態と診断
痔核は肛門疾=
9;の50%を占め,歯ĥ=
66;線を境に内痔核,外=
痔核とよび,成因は=
4880;管起源説と支持組ಢ=
0;減弱説とが知られて&=
#12356;る.内痔核の発生=
597;地は上直腸動静脈終=
;枝の静脈叢にあり,=
22806;痔核は下直腸動静Ŋ=
32;が肛囲皮膚に分布す=
る部にある.病理学=
0340;に痔核は血管が拡অ=
3;・蛇行した静脈瘤様&=
#30149;変で,支持組織の$=
942;伸展によって滑脱す=
;ると考えられる.外=
30164;核の診断は容易でʌ=
92;疼痛を伴う球状の硬=
結で血栓性病変が多=
2356;.内痔核は腫脹と೫=
3;出の程度で分類され&=
#65292;Ⅰ度は出血のみ,͖=
5;度は排便で脱出し自&=
#28982;に還納,Ⅲ度は用û=
63;還納,Ⅳ度は常に脱&=
#20986;とするが,この分'=
006;は疼痛や出血の程度=
;とは関係ない.内痔=
26680;は裂肛より疼痛がë=
69;なく,出血が多いの=
が特徴であるが,絞=
5212;状態の嵌頓痔核のெ=
0;痛は著しい.
◆治療方針
痔核の治療にӗ=
9;保存療法,注射療法&=
#65292;ゴム輪結紮療法,=
163;術療法などがあり,=
;その程度に応じて適=
23452;選択される.最近{=
99;手術侵襲を最小限に=
する考えになってき=
2383;.
A.保存療法=
保存的療法の࣌=
2;本は,日常生活の注&=
#24847;と痔疾用剤の投与=
391;ある.
1.生活指導 ৵=
0;便や食事などの生活&=
#38754;の指導は重要で,=
415;秘や残便感による過=
;度の努責(いきみ)=
12420;5分以上の排便はű=
91;ける.規則正しい排=
便習慣のために食物=
2330;維摂取を指導するᦁ=
4;また,過度の温水洗&=
#27972;器の使用は注意しA=
292;浣腸作用として使っ=
;たり,肛門周囲皮膚=
28814;を惹起した場合はķ=
05;止させる.なお,長=
時間の排便と努責の=
2722;慣を持つ疾患には࠲=
6;血,排便困難,粘液&=
#20415;を伴う粘膜脱症候 =
676;や直腸の輪状脱出を=
;きたす直腸脱があり=
37969;別を要する.
2.薬物療法 ை=
4;疾用剤には外用と内&=
#26381;があり,外用薬に=
399;坐薬と軟膏がある.=
;一般に慢性化した痔=
26680;には非ステロイドÒ=
92;を使用し,ステロイ=
ド含有剤は急性期に=
0351;う.
a.内痔核例=
処方例 下記を=
9;宜組み合わせて用い&=
#12427;
1)ボラザG=
span>⇒軟膏(2.4g) 1回=
2.4g 1日2回 朝・=
夕
2)プロクトセӠ=
7;ィル⇒坐薬 1回1=
20491; 1日2回 朝・ä=
05;
3)サーカネッӠ=
6;ン⇒錠 3錠 分3=
12288;食後
b.急性期
処方例 下記を=
9;宜組み合わせて用い&=
#12427;
1)ネリプロクӠ=
8;⇒軟膏(2.0g) 1回2g 1日2回 朝=
12539;夕
2)ボラザG=
span>⇒軟膏(2.4g) 1回=
2.4g 1日2回 朝・=
夕
3)インダシン⇒=
;坐薬(50mg) 1回1個=
2288;1日2回 朝・夕
4)サーカネッӠ=
6;ン⇒錠 6錠 分3=
12288;食後
B.注射療法=
(硬化療法)
注射(硬化)=
4;法は,5% phenol almond oilを1つのĭ=
64;核に約5mLを目安&=
#12395;痔核と痔核根部の=
896;膜下に注射する.こ=
;れは血管周辺に炎症=
12434;起こし,二次的線Ł=
73;化を惹起させ,痔核=
の血流を低下,同時=
2395;粘膜を固定させるਬ=
1;法であり,Ⅰ-Ⅱ度=
2398;内痔核に有効であӚ=
7;.
C.ゴム輪結=
紮療法
痔核に結紮器ӛ=
4;用いてゴム輪をかけ&=
#65292;内痔核を壊死脱落=
373;せる方法で,Ⅱ-Ⅲ&=
#24230;程度の内痔核や粘!=
180;脱に適応があり,術=
;後疼痛がなく外来通=
38498;で実施できる.
D.手術療法=
結紮切除術が࣌=
2;本であるが,最近は&=
#39640;位結紮後に痔核部=
434;完全除去することは=
;避け,症状部位を必=
35201;最小限に処理するÎ=
70;向になった.新しい=
器具を用いた術式や=
6085;帰り手術も可能でӓ=
4;るが,入院が原則で&=
#12354;る.
E.血栓性外=
痔核,嵌頓痔核に対=
2377;る処置
疼痛と浮腫が഻=
9;しいので,鎮痛薬の&=
#25237;与と微温湯である=
243;度落ち着いた時点で=
;,手術の実施か否か=
12434;決定する.多くのá=
80;合,血栓性外痔核は=
保存療法,嵌頓痔核=
2399;手術を要する.
Ⅱ.裂肛
◆病態と診断
裂肛は肛門上=
2;の損傷で,肛門疾患&=
#12398;約15%にみられ,Õ=
36;純で浅い例から筋層=
に達する深い例まで=
2354;る.慢性化すると=
3;門狭窄をきたし,裂&=
#32923;の3徴である潰瘍=
418;成,肛門ポリープ,=
;見張り疣などの随伴=
30149;変を伴う.成因はĴ=
28;便による過伸展であ=
り,肛門内圧上昇や=
4394;血状態の関与も示ࢀ=
6;されている.また主&=
#30151;状は疼痛で出血は=
604;較的少ない.
◆治療方針
急性期は保存=
4;法が有効で,慢性例&=
#12391;は用手拡張法や手"=
899;が必要である.最近=
;は手術に代わる薬物=
30274;法が注目されてい|=
27;.
A.保存療法=
裂肛が慢性化ӕ=
5;ないように排便調整&=
#12364;大切で,症状に応=
376;て痔疾用剤,鎮痛薬=
;,下剤の投与が必要=
12391;ある.
処方例 下記を=
9;宜組み合わせて用い&=
#12427;
1)ボラザG=
span>⇒軟膏(2.4g) 1回=
2.4g 1日2回 朝・=
夕
2)ボルタレン⇒=
;錠(25mg) 3錠 分=
5299; 食後
3)酸化マグネӟ=
1;ウム⇒ 2.4g 分3 食後
B.薬物によ=
る括約筋弛緩療法
ニトログリセӤ=
2;ン⇒やボツリヌス菌=
27602;素などによる薬物Į=
74;法で,緊張状態の内=
括約筋を弛緩させる=
6041;法である.
C.用手拡張=
法
麻酔下で肛門ӗ=
5;2本の指を挿入し,&=
#32923;門管を伸展・拡張=
373;せる方法である.
D.手術療法=
保存療法が期=
3;できない,随伴病変&=
#12434;伴った続発性肛門=
421;窄の強い慢性裂肛に=
;対して実施する.肛=
38272;ポリープや皮垂をÑ=
99;除した後,肛門拡張=
術として側方皮下内=
5324;約筋切開術(LSIS:lateral subcutaneous anal
internal sphincterotomy)や&=
#30382;膚弁移動術(SSG:sliding skin graft=
)を実施する.
Ⅲ.痔瘻および肛門=
21608;囲膿瘍
◆病態と診断
痔瘻とは直腸ߍ=
9;部と肛囲皮膚とが交&=
#36890;された病態で,通=
120;は肛門周囲膿瘍の排=
;膿後に形成され,肛=
38272;疾患の25%を占める.ĭ=
64;瘻の成因はcrypt-glandular infectionが定説ӗ=
1;,肛門腺の細菌感染&=
#12395;よって,肛門周囲 =
068;織に膿瘍を生じ,自=
;壊や切開で皮膚に瘻=
23380;を形成する.肛門Ø=
08;囲膿瘍の多くは痔瘻=
に移行する.一般的=
2395;瘻管の走行部位で=
2;下痔瘻,筋間痔瘻,&=
#22352;骨直腸窩痔瘻,骨=
436;直腸窩痔瘻の4型に=
;大別し,さらに細分=
39006;する.最も多い痔Į=
67;は低位筋間痔瘻で7=
割近くを占める.
◆治療方針
治療は外科的=
4;法が原則で,膿瘍期&=
#12395;は早期の切開排膿=
364;必要である.
A.直腸・肛=
門周囲膿瘍の処置
局所麻酔下に࠳=
9;開排膿し,ドレナー&=
#12472;を十分につける."=
220;物療法は排膿後の補=
;助療法である.
処方例 排膿後ӗ=
5;適宜組み合わせて用&=
#12356;る
1)タリビッド⇒=
;錠(100mg) 6錠 分=
65299; 食後
2)ビブラマイӟ=
1;ン⇒錠(100mg) 1錠 分=
65297;
3)ボルタレン⇒=
;錠(25mg) 3錠 分=
5299; 食後
B.痔瘻の手=
術療法
手術には原発ࡣ=
5;,原発巣,瘻管の的&=
#30906;な処理が必要であ=
427;が,再発と機能障害=
;という大きな問題が=
23384;在している.
1.切開開放術ᦀ=
8;lay open法) 原発口=
;から二次口まで瘻管=
12434;開放する方法で根Ė=
35;性は高いが,変形や=
便洩れを起こしやす=
2356;術式である.したӔ=
4;って,正中後方の浅&=
#12356;低位筋間痔瘻に限=
387;て行うべきである.=
;
2.括約筋温存=
3;術(coring out法) 二次Ö=
75;から瘻管をくり抜く=
術式で機能障害を最=
3567;限にする手術であӚ=
7;.実施する施設は多&=
#12356;が,問題はやや高=
356;再発率を伴うことで=
;ある.
3.痔瘻結紮療ૢ=
1;(seton法)ӌ=
8;基本的な考え方は,&=
#30267;管をゴム紐で時間=
434;かけて切開開放する=
;方法である.本法は=
30267;管の離断が進む一Ą=
41;で開放創が修復する=
のが特徴で,根治性=
2364;高く後障害が少なӓ=
6;が,治療日数が長い&=
#12398;が欠点である.
Ⅳ.粘膜脱症候群
◆病態と診断
粘膜脱症候群ᦀ=
8;MPS:mucosal prolapse
syndrome)は,直腸に潰=
221;性病変や隆起性病変=
;を形成し,排便時に=
20986;血,粘液便,粘膜Ŋ=
73;出などを訴える疾患=
である.成因として=
5490;便時の習慣的な過ॷ=
0;の努責が関与してい&=
#12427;とされている.
◆治療方針
軽度の場合は=
5;存療法が有効であり&=
#65292;症状によっては手"=
899;が必要であるが,最=
;も大切なことは排便=
26178;の努責を禁ずる生ė=
63;指導である.
A.保存療法=
症状に応じたை=
4;疾用剤やステロイド&=
#22352;薬の投与および努$=
012;の中止で軽快する場=
;合がある.
処方例 下記のӓ=
6;ずれかを用いる
1)ネリプロクӠ=
8;⇒軟膏(2.0g) 1回=
2.0g 1日2回 朝・=
夕
2)リンデロン⇒=
;坐薬(1.0mg) 1回1個=
12288;1日2回 朝・夕
B.手術療法=
保存療法で隆ล=
5;性病変は消退しない&=
#12398;で局所切除を要す=
427;が,術後の排便習慣=
;の改善が重要である=
65294;
■患者説明のポイ=
;ント
・肛門出血の多Ӕ=
7;は内痔核によるが,&=
#22823;腸癌やポリープも=
542;定できないので大腸=
;の検査の必要性を説=
26126;する.
・痔瘻には痔瘻=
4;,クローン病などの&=
#21487;能性の説明が必要=
391;ある.
・手術のタイミӥ=
1;グを説明する.
■服薬指導上の注=
;意
・坐薬,軟膏,ߍ=
9;剤を漫然といつまで&=
#12418;使用していると予=
819;外の副作用を起こす=
;ことを説明する.特=
12395;ステロイド含有剤{=
98;場合.
・高齢者で容器ӗ=
8;まま使用する場合が&=
#22810;々あるので,使用=
861;を実際に見せて説明=
;する.
■看護・介護のポ=
;イント
・肛門疾患の診य=
9;では患者が羞恥心と&=
#24656;怖心で緊張してい=
427;ので,愛護的に接す=
;る必要がある.
・無診投薬になӚ=
7;場合があるので,診&=
#23519;を積極的に受ける=
424;うにすすめる.
今日の診療プレӣ=
1;アム Vol.13 DVD-ROM版 (C) 2003 IGAKU-SHOIN Tokyo