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うっ血性心不全
congestive heart failure
磯部 光章
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■定義
心不全は,心=
5;のポンプ機能の失調&=
#12395;より,臓器が必要=
392;する心拍出量が得ら=
;れず,臓器低灌流と=
12358;っ血のため惹起さ|=
28;る臨床症候群である=
.
■頻度
きわめて発症༹=
1;度の高い疾患である&=
#65294;アメリカの Framingham Study では,明|=
25;かな心不全の発症は=
1,000人に対して 3~10人と&=
#12373;れており,全人口=
398; 1%という統計|=
18;ある.わが国におけ=
る平成5年の人口動態ಋ=
3;計では,心不全によ&=
#12427;死亡は 11万人であったA=
294;実患者数は50~100万人=
の間にあり,増加し=
2390;いると考えられるᦁ=
4;年齢とともに罹患者&=
#12399;増加する.
■病態
①心不全の原因疾=
;患は多様である.頻=
24230;の高いのは虚血性õ=
15;疾患,弁膜疾患,高=
血圧性心疾患,心筋=
0142;患の順である.誘ࢰ=
0;として感染,心房細&=
#21205;などの不整脈,水=
998;・塩分の過剰摂取,=
;治療薬の中断などが=
37325;要である.
②心ポンプ失調が=
;生じると,代償機序=
12392;してFrank-Starling(フランク&=
#12539;スターリング)機=
207;,交感神経系,レニ=
;ン-アルドステロӥ=
1;-アンジオテンӟ=
1;ン系が作動するが,&=
#12381;れが破綻したとき=
395;心不全の臨床症状が=
;出現する.心不全は=
33256;床経過により,急ö=
15;心不全と慢性心不全=
に,またポンプ失調=
2364;生じる心室の違いӔ=
3;ら,左心不全と右心&=
#19981;全に分けられる.
・急性心不全はᦁ=
2;急性心筋梗塞(AMI)や心房細動=
398;出現などにより生じ=
;,左心不全で発症す=
12427;ことが多い.肺静Ŋ=
32;,肺毛細血管圧の上=
昇による肺うっ血が=
9983;じる.心係数と肺ૉ=
1;細血管圧をもとにし&=
#12383;心機能分類が病態=
398;理解に有用である〔=
;Forrester(フォレスӟ=
9;ー)の分類〕.
・慢性心不全でӗ=
9;,左室収縮性の低下&=
#12395;よる運動耐容能の=
302;下が認められる.体=
;液貯留に対して神経=
20307;液性調節が働き体Ŝ=
80;管が収縮する.心室=
性不整脈を合併しや=
2377;い.
・右心不全は全ไ=
3;の静脈,毛細血管圧&=
#12398;上昇によって症候=
434;きたす.左心不全に=
;続発することが多く=
65292;通常慢性の経過を{=
92;る.急性に発症する=
右心不全は右室梗塞=
5292;肺塞栓などによるә=
8;のが多い.
■臨床症状
①左心不全:全身=
;倦怠感,夜間多尿,=
21628;吸困難,労作時息Ñ=
99;れ,動悸,夜間発作=
性呼吸困難,咳,痰=
5288;血痰)
②右心不全:浮腫=
;,体重増加,消化器=
30151;状(食欲不振,悪õ=
15;など)
③自覚症状に基づ=
;いた重症度の判定は=
12491;ューヨーク心臓病é=
98;会(NYHA)の心機能分=
9006;によって行う.
■身体診察
①一般状態:重症=
;例では全身の消耗が=
36914;む〔cardiac cachexia(心不全に=
;よる悪液質)〕,チ=
12450;ノーゼ,収縮期圧{=
98;低下と頻脈,Cheyne-Stokes(チェーン=
12539;ストークス)呼吸{=
64;みられることもある=
.
②心所見:視診・=
;触診では心拡大がみ=
12425;れる.聴診上Ⅲ音ӗ=
5;よる奔馬調,Ⅱ音肺=
21205;脈成分の亢進,僧ñ=
25;弁閉鎖不全による収=
縮期雑音.
③全身所見:左心=
;不全では,機械的交=
20114;脈,頻脈,収縮期ß=
11;低下,乏尿,肺野の=
湿性ラ音,胸水貯留=
2394;ど,右心不全ではᦁ=
2;浮腫,肝腫大,静脈&=
#24594;張,黄疸,腹水な=
393;.
■検査所見
①胸部X線=
908;査:心拡大,肺高血=
;圧,肺うっ血,胸水
②心電図検査:心=
;不全に特徴的な所見=
12399;ないが,合併するÇ=
81;整脈の診断や原疾患=
の診断上必須の検査=
2391;ある.
③心エコー検査:=
;スクリーニング,病=
24907;診断,原疾患の診Ą=
29;,重症度の判定のう=
えで最も重要な検査=
2391;ある.左室収縮の߮=
2;下,左室拡大,右室&=
#25313;大,僧帽弁エコー=
398;B-B'ステップ,肺=
9640;血圧,僧帽弁閉鎖ߎ=
1;全など.
④右心カテーテル=
;:右房圧(中心静脈=
22311;)上昇,肺動脈楔Ð=
37;圧上昇,心拍出量低=
下.
⑤血液検査:神経=
;体液性因子としてノ=
12523;エピネフリン,ANP,BNPが上=
;昇する.うっ血肝に=
12424;りAST,ALTなど=
;が上昇する.重症例=
12391;は低Na血症や高K<=
/span>血症.
■診断・鑑別診断=
;
心不全の存在ӗ=
9;,病歴情報,臨床症&=
#29366;,身体所見,胸部X線,心エコーӗ=
4;どの検査結果により&=
#26126;らかとなる.原因#=
386;断については心電図=
;,心エコーが有用で=
12354;る.重症度の診断{=
99;臨床症状をもとに,=
心エコー,右心カテ=
2540;テルなどを参考にඡ=
2;う.治療のうえでは&=
#65292;右心不全と左心不=
840;の鑑別や誘因の同定=
;が重要である.
■治療の基本方針=
;
①心不全の原因,=
;誘因を明らかにする=
65294;AMIでは再灌流療=
861;,心筋虚血では経皮=
;的冠形成術(PTCA)や冠動脈バ=
2452;パス術,心タンポӡ=
0;ーデでは心嚢穿刺,&=
#24321;膜症では手術,肺=
622;栓では血栓溶解など=
;治療可能なものにつ=
12356;ては,原因治療をŜ=
92;う.誘因が明らかな=
ものはその除去をは=
2363;る.
②急性左心不全:=
;酸素療法,硝酸薬,=
21033;尿薬,塩酸モルヒ|=
93;,ドブタミンやホス=
ホジエステラーゼ(
③慢性心不全:第=
;一選択薬はアンジオ=
12486;ンシン変換酵素(ACE)阻害薬,ア=
531;ジオテンシンⅡレセ=
プター拮抗薬である=
5294;中等症以上ではジӞ=
2;タリス,利尿薬が加&=
#12360;られる.硝酸薬と=
498;ドララジンの併用や=
;長時間作用型Ca拮抗薬が選択{=
73;れることもある.症=
例によってはカルベ=
2472;ロールなどαβ遮断=
34220;が著効する.
■ワンポイント・=
;アドバイス
β遮断薬は陰性=
変力作用があり,一=
3324;に心不全への投与ӗ=
9;禁忌とされている.&=
#12375;かし,拡張型心筋=
151;(DCM)や虚血によ=
427;心不全にβ遮断薬,&=
#945;β遮断薬を少量より=
漸増して投与すると=
4515;機能が改善する症ߴ=
3;がある.作用機転に&=
#12388;いては不明な点が=
810;い.改善には数か月=
;を要する.NYHAクラスⅣの重=
151;例への投与は慎重に=
;行う.
今日の診療プレӣ=
1;アム Vol.13 DVD-ROM版 (C) 2003 IGAKU-SHOIN Tokyo